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- 5.4.1 一般事項
- 5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者
- 5.4.3 圧接部の試験を行う技能資格者
- 5.4.4 圧接部の品質
- 5.4.5 圧接一般
- 5.4.6 鉄筋の加工
- 5.4.7 鉄筋の圧接前の端面
- 5.4.8 天候等による措置
- 5.4.9 圧接作業
- 5.4.10 圧接完了後の圧接部の試験
- 5.4.11 不合格となった圧接部への措置
5.4.1 一般事項
この節は、鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて加熱し、圧力を加えながら接合するガス圧接に適用する。
5.4.2 ガス圧接作業を行う技能資格者
- (1) ガス圧接作業は、技能資格者が行う。
- (2) 技能資格者は、JIS Z 3881 (鉄筋のガス圧接技術検定における試験方法及び判定基準) に従う工事に相応した試験に基づく能力を有する者とする。
- (3) (1)及び(2)以外は、1.5.3[技能資格者]による。
5.4.3 圧接部の試験を行う技能資格者
- (1) 5.4.10の圧接部の外観試験及び超音波探傷試験は、技能資格者が行う。
- (2) 技能資格者は、圧接部に関する知識、試験の方法等について十分な知識及び経験に基づく能力を有する者とする。
- (3) 圧接部の外観試験及び超音波探傷試験を行う技能資格者は、当該工事における圧接部の品質管理を行っていない者とする。
- (4) (1)から(3)まで以外は、1.5.3[技能資格者]による。
5.4.4 圧接部の品質
圧接後の圧接部の品質は、次による。
- (ア) 圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1.4倍以上であること。
- (イ) 圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1 倍以上とし、その形状がなだらかであること。
- (ウ) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれは、鉄筋径の1/4以下であること。
- (エ) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。
- (オ) 圧接部の折れ曲りは、2°以下であること。
- (カ) 圧接部の片ふくらみは、鉄筋径(径の異なる場合は細い方の鉄筋径)の 1/5以下であること。
- (キ) 圧接部は、強度に影響を及ぼす焼割れ、へこみ、垂下がり及び内部欠陥がないこと。
5.4.5 圧接一般
- (1) 圧接作業に使用する装置及び器具類は、正常に動作するように整備されたものとする。
- (2) 鉄筋の種類が異なる場合、形状が著しく異なる場合又は径の差が7mmを超える場合は、圧接を行ってはならない。
ただし、鉄筋の種類が異なる場合においては、SD345 と SD390の圧接を行うことができる。
5.4.6 鉄筋の加工
- (1) 鉄筋は、圧接後の形状及び寸法が設計図書に合致するよう、圧接箇所1か所につき鉄筋径程度の縮み代を見込んで、切断又は加工する。
- (2) 圧接しようとする鉄筋は、その端面が直角で平滑となるように、適切な器具を用いて切断する。
- (3) (1)及び(2)以外は、3節による。
5.4.7 鉄筋の圧接前の端面
- (1) 端面及びその周辺には、錆、油脂、塗料、セメントペースト等の付着がないこと。
- (2) 端面は、直角で平滑に仕上げ、必要に応じて面取りをすること。
- (3) (1)及び(2)の処理は、圧接作業当日に行い、その状態を確認すること。
ただし、これにより難い場合は、監督職員と協議する。
5.4.8 天候等による措置
- (1) 酸素、アセチレン容器及び圧力調整器を保温する場合は、関係法令に基づき、適切に行う。
- (2) 酸素及びアセチレン容器は直射日光等から保護し、関係法令に基づき、適切な温度を保つ。
- (3) 降雨、降雪又は強風の場合は、圧接作業を行ってはならない。
ただし、風除け、覆い等の設備を設置した場合には、作業を行うことができる。
5.4.9 圧接作業
- (1) 鉄筋に圧接器を取り付けたときの鉄筋の圧接端面間の隙間は2mm以下とし、かつ、偏心及び曲がりのないものとする。
- (2) 圧接する鉄筋の軸方向に適切な加圧を行い、圧接端面同士が密着するまで還元炎で加熱する。
- (3) 圧接端面同士が密着したことを確認した後、鉄筋の軸方向に適切な圧力を加えながら、中性炎により圧接面を中心に鉄筋径の2倍程度の範囲を加熱する。
- (4) 圧接器の取外しは、鉄筋加熱部分の火色消失後とする。
- (5) 加熱中に火炎に異常があった場合は、圧接部を切り取って再圧接する。
ただし、圧接端面同士が密着した後、火炎に異常があった場合は、火炎を再調節して作業を行ってもよい。
5.4.10 圧接完了後の圧接部の試験
圧接完了後、次により試験を行う。
- (ア) 外観試験は、次による。
- (a) 試験対象は、全ての圧接部とする。
- (b) 圧接部のふくらみの形状及び寸法、圧接部のふくらみにおける圧接面のずれ、圧接部における鉄筋中心軸の偏心量、圧接部の折れ曲り、片ふくらみ、焼割れ、へこみ、垂下がりその他有害と認められる欠陥の有無について、外観試験を行う。
- (c) 試験方法は、目視により、必要に応じて、ノギス、スケールその他適切な器具を使用する。
- (d) 外観試験の結果、不合格となった場合の措置は、5.4.11(1)による。
- (イ) 超音波探傷試験又は引張試験の適用は特記による。
特記がなければ、超音波探傷試験とする。- (a) 超音波探傷試験は、次による。
- ① 1ロットは、1組の作業班が1日に行った圧接箇所とする。
- ② 試験の箇所数は、1ロットに対して30 か所とし、ロットから無作為に抜き取る。
- ③ 試験方法及び判定基準は、JIS Z 3062(鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試験方法及び判定基準)による。
- ④ ロットの合否判定は、ロットの全ての試験箇所が合格と判定された場合に、当該ロットを合格とする。
- ⑤ 不合格となったロットへの措置は、5.4.11(2)による。
- (b) 引張試験の方法等は、特記による。
特記がなければ、次による。- ① 1ロットは、1組の作業班が1日に行った圧接箇所とする。
- ② 試験片の採取数は、1ロットに対して3本とする。
- ③ 試験片を採取した箇所は、同種の鉄筋を圧接して継ぎ足す。
ただし、D32 以下の場合は、監督職員の承諾を受けて、重ね継手とすることができる。 - ④ 試験片の形状、寸法及び試験方法は、JIS Z 3120(鉄筋コンクリート用棒鋼ガス圧接継手の試験方法及び判定基準)による。
- ⑤ ロットの合否の判定は、全ての試験片の引張強さが母材の規格値以上である場合かつ圧接面での破断がない場合を合格とする。
ただし、圧接面で破断し不合格となった場合は、次により再試験を行うことができる。- ㋐ 再試験片の採取数は、当該ロットの5%以上とする。
- ㋑ 再試験の結果、全ての試験片について引張強さが母材の規格値以上である場合を合格とする。
- ⑥ 不合格となったロットへの措置は、5.4.11(2)による。
- (a) 超音波探傷試験は、次による。
5.4.11 不合格となった圧接部への措置
- (1) 外観試験で不合格となった圧接部への措置
- (ア) 圧接部のふくらみの直径又は長さが規定値に満たない場合は、再加熱し、加圧して所定のふくらみに修正する。
- (イ) 圧接部のふくらみにおける圧接面のずれが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。
- (ウ) 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。
- (エ) 圧接部の折れ曲がりが規定値を超えた場合は、再加熱して修正する。
- (オ) 圧接部の片ふくらみが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接する。
- (カ) 圧接部の焼き割れ、へこみ、垂れ下がりその他有害と認められる欠陥に対しては、圧接部を切り取って再圧接する。
- (2) 超音波探傷試験又は引張試験で不合格となったロットへの措置
- (ア) 直ちに作業を中止し、不合格の発生原因を調査するとともに、不合格ロットの残り全ての圧接部に対して、5.4.10(イ)(a)③による超音波探傷試験を行う。
また、工事を再開するに当たり、再発防止のために必要な措置を定め、監督職員の承諾を受ける。 - (イ) (ア)の超音波探傷試験の結果、不合格となった圧接部は、監督職員と協議を行い、圧接部を切り取って、再圧接する。
- (ア) 直ちに作業を中止し、不合格の発生原因を調査するとともに、不合格ロットの残り全ての圧接部に対して、5.4.10(イ)(a)③による超音波探傷試験を行う。
- (3) (1)又は(2)による措置をとった圧接部は、5.4.10 による外観試験及び超音波探傷試験を行う。
- (4) 不合格圧接部への措置をとった後、その記録を整理し、監督職員に提出する。
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