2節 補強コンクリートブロック造／8章 コンクリートブロック、ALCパネル及び押出成形セメント板工事／令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

1. 8.2.1 一般事項
2. 8.2.2 材料
3. 8.2.3 モルタルの調合
4. 8.2.4 コンクリートの調合
5. 8.2.5 鉄筋の加工及び組立
6. 8.2.6 縦遣方
7. 8.2.7 ブロック積み等
8. 8.2.8 モルタル及びコンクリートの充填
9. 8.2.9 ボルトその他の埋込み
10. 8.2.10 電気配管
11. 8.2.11 養生

8.2.1 一般事項

この節は、建築用コンクリートブロック (以下この節において「ブロック」という。) を組積し、鉄筋により補強された耐力壁による小規模な構造物に適用する。
なお、基礎、がりょう、スラブ等については、５章［鉄筋工事］及び６章［コンクリート工事］による。

8.2.2 材料

1. (1) ブロックはJIS A 5406 (建築用コンクリートブロック) に基づき、種類、モデュール呼び寸法及び正味厚さは特記による。
2. (2) コンクリート
   1. (ｱ) 充填用コンクリートの場合の粗骨材の最大寸法は、鉄筋を挿入する空洞部の最小径の 1/5以下、かつ、砂利は 20mm以下、砕石は15mm以下とする。
   2. (ｲ) (ｱ) 以外は、６章３節［コンクリートの材料及び調合］による。
3. (3) 鉄筋は、５章２節［材料］による。
4. (4) モルタル用材料は、15.3.2［材料］による。
   ただし、化粧目地用の砂の粒度は、表15.3.1［砂の粒度］の上塗り用とする。
5. (5) ブロックは、種類により区分し、雨水を吸水しないように適切な養生を行い保管する。

8.2.3 モルタルの調合

モルタルの調合は、特記による。
特記がなければ、ブロックの圧縮強さの区分がＡ(08)、Ｂ(12)又はＣ(16)の場合は、次による。

1. (ｱ) 目地幅が10mm程度となるブロックを用いる場合は、表8.2.1による。
2. (ｲ) (ｱ)以外の場合は、調合計画書を提出し、監督職員の承諾を受ける。

表8.2.1 モルタルの調合 (容積比)

8.2.4 コンクリートの調合

充填用コンクリートの調合は、表8.2.2による。
ただし、レディーミクストコンクリートを使用する場合は、呼び強度21、スランプ21cmのものとする。

表8.2.2 コンクリートの調合 (容積比)

8.2.5 鉄筋の加工及び組立

1. (1) 加工及び組立一般
   1. (ｱ) 縦筋は、ブロックの空洞部の中心部に配筋する。
      また、縦筋の上下端は、がりょう、基礎等に定着する。
      なお、縦筋には継手を設けない。
   2. (ｲ) 横筋は、壁端部の縦筋に180°フックによりかぎ掛けとする。
      ただし、直交壁がある場合は、直交壁に定着又は直交壁の横筋に重ね継手とする。
      また、横筋は、縦筋との交差部の要所を径0.8㎜以上の鉄線で結束する。
   3. (ｳ) 鉄筋の重ね継手長さは 45dとし、定着長さは40d とする。
   4. (ｴ) 鉄筋のかぶり厚さの最小値は、20mmとする。
      ただし、ブロックのフェイスシェルの厚さは、かぶり厚さに含まない。
   5. (ｵ) (ｱ)から(ｴ)まで以外は、５章３節［加工及び組立］による。
2. (2) 各部の配筋は、特記による。

8.2.6 縦遣方

縦遣方は、足場、型枠等と連結せず自立する構造とし、移動しないように正確、かつ、堅固に設ける。

8.2.7 ブロック積み等

1. (1) 凝結を始めたモルタルは使用しない。
2. (2) モルタルと接するブロックの面は、モルタルの練り混ぜ水を過度に吸収しないように、適度に水湿しを行う。
   ただし、水湿しが適当でない場合はこの限りでない。
3. (3) 横目地モルタルはブロック上端全面に、縦目地モルタルは接合面に、それぞれ隙間なく塗り付け、ブロックは墨に合わせ通りよく目違いなく積む。
   化粧面となるブロックの汚れは、その都度清掃する。
   なお、横筋を挿入する部分には、基本形横筋ブロックを使用する。
4. (4) １日の積上げ高さの上限は、1.6ｍ程度とする。
5. (5) がりょうと取り合う壁体の最上段のブロックは、基本形横筋ブロックを使用する。
6. (6) 目地仕上げは次により、適用は特記による。
   1. (ｱ) 押し目地仕上げの場合は、目地モルタルが硬化する前に、目地こてで押さえる。
   2. (ｲ) 化粧目地仕上げの場合は、目地モルタルの硬化に先立ち、目地堀りし、表面の清掃を行ったうえで、目地モルタルの硬化後に行う。
7. (7) モルタルが急激な乾燥又は凍結のおそれのある場合は、15.1.4［施工一般］(2)又は(3)により、適切に養生を行う。

8.2.8 モルタル及びコンクリートの充填

1. (1) モルタル又はコンクリートと接するブロックの面は、モルタル又はコンクリートの練り混ぜ水を過度に吸収しないように、適度に水湿しを行う。
2. (2) 縦目地の空洞部には、ブロック２段以下ごとに、適切にモルタル又はコンクリートを充填する。
   なお、１日の作業終了時の打止め位置は、ブロックの上端から５cm程度の下がりとする。
3. (3) モルタル又はコンクリートの充填に当たり、縦横の鉄筋に必要なかぶり厚さを保つようにする。
4. (4) まぐさを受ける開口部両側のブロックは、ブロック積みの最下部からまぐさの下端までモルタル又はコンクリートを充填する。
   なお、充填するブロックの範囲は、特記による。

8.2.9 ボルトその他の埋込み

ボルト、とい受金物、配管の支持金物等を壁面に埋め込む場合の埋込み箇所は、目地位置とする。
なお、これにより難い場合は、監督職員と協議する。

8.2.10 電気配管

ブロックの空洞部に電気配管を行う場合は鉄筋のかぶり厚さに支障のないように空洞部の片側に寄せて配管し、その取入れ及び取出し部に当たるブロックの空洞部にはモルタル又はコンクリートを充填する。

8.2.11 養生

1. (1) 目地モルタル及び充填したモルタル又はコンクリートが十分硬化するまで、有害な振動、衝撃、荷重等を与えないようにし、直射日光又は寒気に対して適切な養生を行う。
2. (2) 出隅及び突出部の欠けやすい部分並びに踏付け面等の破損のおそれのある部分は、板等を用いて養生を行う。
3. (3) 施工済みのブロックの空洞部には、雨水等が入らないようにする。