1節 共通事項／10章 石工事／令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

1. 10.1.1 一般事項
2. 10.1.2 基本要求品質
3. 10.1.3 施工一般
4. 10.1.4 養生
5. 10.1.5 清掃

10.1.1 一般事項

この章は、現場打ちコンクリートの表面に、天然石及びテラゾ(以下この章において「石材」という。) を取り付ける工事に適用する。
また、１章［各章共通事項］と併せて適用する。

10.1.2 基本要求品質

1. (1) 石工事に用いる材料は、所定のものであること。
2. (2) 石材の仕上り面は、所定の形状及び寸法を有し、所要の状態であること。
3. (3) 石材の下地への取付けは、所要の状態であること。

10.1.3 施工一般

1. (1) 石材の割付けは、特記による。
   なお、取合い部は、次による。
   1. (ｱ) 水平打継ぎ部、異種下地の取合い部等は、原則として、１枚の石材をまたいで取り付けない。
   2. (ｲ) 開口部回りは、建具等と取合いをよくする。
2. (2) 石材の加工
   1. (ｱ) 合端の見え隠れ部分はひき肌又は製作のままとし、入隅などでのみ込みとなる部分は、原則として、15mm以上を見え掛りと同程度の仕上げとする。
      ただし、粗面仕上げの場合は、監督職員と協議する。
   2. (ｲ) 石材に設ける金物用の穴あけ、道切り、座掘り等は、据付け前に加工する。
3. (3) 下地面の精度
   石材を取り付ける下地面の寸法精度は、表10.1.1による。
   表10.1.1 部位及び工法ごとの下地面の寸法精度
   

10.1.4 養生

1. (1) モルタルが急激な乾燥又は凍結のおそれのある場合の施工は、15.1.4［施工一般］(2)又は(3)による。
2. (2) 床の敷石終了後は、モルタルが硬化するまで歩行しない。
3. (3) 外壁取付けに当たり、雨、雪等が掛かるおそれのある場合は、外壁面の施工箇所をシートで覆う。
4. (4) 仕上げ表面は、必要に応じて、ポリエチレンシート等で養生し、汚れを防止する。
   出隅部やその他の突出部等破損のおそれのある部分には、養生材を取り付ける。

10.1.5 清掃

1. (1) 取付け終了後、適切な時期に付着した汚れやセメントモルタル等を除去する。
2. (2) 石材面の清掃には、酸類を使用しない。
   ただし、花こう岩類の場合で、やむを得ず酸類を使用する場合は、周辺の金物を養生し、石材面に清水を注ぎ掛けたあと酸洗いを行い、石材面に酸類が残らないように十分水洗いをする。
3. (3) 屋内で本磨きの場合は、乾燥した布で清掃する。