4節 アスファルト舗装／22章 舗装工事／令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

1. 22.4.1 一般事項
2. 22.4.2 舗装の構成及び仕上り
3. 22.4.3 材料
4. 22.4.4 配合その他
5. 22.4.5 施工
6. 22.4.6 試験

22.4.1 一般事項

この節は、アスファルト舗装に適用する。
なお、路盤は、３節による。

22.4.2 舗装の構成及び仕上り

1. (1) アスファルト舗装の構成及び厚さは、特記による。
2. (2) 締固め度は、測定した現場密度が基準密度の94％以上とする。
3. (3) 表層の厚さは、設計厚さを下回らないこととする。
4. (4) 舗装の平たん性は、特記による。
   特記がなければ、通行の支障となる水たまりを生じない程度とする。

22.4.3 材料

1. (1) アスファルト
   1. (ｱ) ストレートアスファルトは、JIS K 2207 (石油アスファルト) による。
   2. (ｲ) 再生アスファルトはJIS K 2207に準ずるものとし、表22.4.1により、種類は特記による。
      表22.4.1 再生アスファルトの品質
      
      (注) １．ここでいう再生アスファルトとは、アスファルトコンクリート再生骨材中に含まれる旧アスファルトに、新アスファルト及び再生用添加剤を、単独又は複合で添加調整したアスファルトをいう。
      ２．再生アスファルトの品質は、再生骨材から回収した旧アスファルトに、新アスファルトや再生用添加剤を、室内で混合調整したものとする。
      
      
2. (2) プライムコート用の石油アスファルト乳剤はJIS K 2208 (石油アスファルト乳剤) に基づき、種別はＰＫ－３とする。
3. (3) 骨材
   1. (ｱ) 砕石は、JIS A 5001 (道路用砕石) による。
   2. (ｲ) アスファルトコンクリート再生骨材の品質は、表22.4.2による。
      表22.4.2 アスファルトコンクリート再生骨材の品質
      
      (注)１．旧アスファルト含有量及び洗い試験で失われる量は、再生骨材の乾燥質量に対する百分率で表す。
      ２．洗い試験で失われる量は、試料のアスファルトコンクリート再生骨材の水洗い前の 75μmふるいにとどまるものと、水洗い後 75μmふるいにとどまるものを、気乾又は 60℃以下の乾燥炉で乾燥し、その質量差から求める。
      
      
4. (4) 石粉は石灰岩又は火成岩を粉砕したもので、含水比１％以下で微粒子の団粒のないものとし、粒度範囲は表22.4.3 による。
   表22.4.3 石粉の粒度範囲
   
5. (5) 石油アスファルト乳剤は、製造後60日を超えるものは使用しない。

22.4.4 配合その他

1. (1) 表層の加熱アスファルト混合物及び再生加熱アスファルト混合物 (以下「加熱アスファルト混合物等」という。) は表22.4.4により、種類は特記による。
2. (2) 加熱アスファルト混合物等は、原則として、アスファルト混合物の製造所で製造する。
3. (3) 加熱アスファルト混合物等の配合は、表22.4.4及び表22.4.5を満足するもので、(公社)日本道路協会「舗装調査・試験法便覧」のマーシャル安定度試験方法によりアスファルト量を求め、配合を定める。
4. (4) 定められた配合で、使用するアスファルト混合物の製造所において、試験練り及び試験施工を行った後、現場配合を決定し、表22.4.5の基準値を満足することを確認する。
   ただし、同じ配合の試験結果がある場合又は軽易な場合は、監督職員の承諾を受けて、試験練り及び試験施工を省略することができる。
   表22.4.4 加熱アスファルト混合物等の種類及び標準配合
   
   (注) アスファルト針入度は、一般地域では 60～80、寒冷地域では 80～100を標準とする。
   
   
   表22.4.5 加熱アスファルト混合物等のマーシャル安定度試験に対する基準値
   
5. (5) 混合物の混合温度は、185℃未満とする。
6. (6) アスファルト混合物の製造所からの運搬は、清掃したダンプトラックを使用し、シート等で覆い保温する。

22.4.5 施工

1. (1) 施工時の気温が５℃以下の場合は、原則として、施工を行わない。
   また、作業中に雨が降り出した場合は、直ちに作業を中止し、適切に措置を講ずる。
2. (2) 石油アスファルト乳剤の散布は、次による。
   1. (ｱ) 路盤と加熱アスファルト混合物等の間には、路盤の仕上げに引き続いて、直ちにプライムコートを散布する。
   2. (ｲ) 石油アスファルト乳剤の散布量は、プライムコート1.5L/m2程度とする。
   3. (ｳ) 石油アスファルト乳剤の散布は、散布温度に注意し、縁石等の構造物を汚さないように均一に散布する。
3. (3) アスファルト混合物等の敷均しは、次による。
   1. (ｱ) アスファルト混合物等は、所定の形状及び寸法に敷き均す。
   2. (ｲ) アスファルト混合物等の敷均しは、アスファルトフィニッシャによるものとする。
      ただし、機械を使用できない狭い場合又は軽易な場合は、人力によることができる。
   3. (ｳ) アスファルト混合物等の敷均し時の温度は、110℃以上とする。
   4. (ｴ) アスファルト混合物等の敷均しは、その下層表面が湿っていないことを確認したうえで施工する。
   5. (ｵ) やむを得ず、５℃以下の気温で施工する場合は、現場状況に応じて、次の方法を組み合わせる等の方法により、所定の締固め度が得られることを確認したうえで施工する。
      1. (a) 運搬トラックの荷台に木枠を設け、シート覆いを増すなどして、保温養生を行う。
      2. (b) 敷均しは、アスファルトフィニッシャのスクリードを断続的に加熱する。
      3. (c) 敷均し後、転圧作業のできる最小範囲まで進んだ時点において、直ちに締固めを行う。
   6. (ｶ) 作業中に雨が降り出して作業を中止する場合は、既に敷き均した箇所のアスファルト混合物等を直ちに締め固めて仕上げを完了する。
   7. (ｷ) アスファルト混合物等は、敷均し後、所定の勾配を確保し、水たまりを生じないように、締め固めて仕上げる。
4. (4) 継目及び構造物との接触部は、接触面に石油アスファルト乳剤 (JIS K 2208に基づく種別(ＰＫ－４)) を塗布した後に締め固め、密着させて平らに仕上げる。

22.4.6 試験

1. (1) 締固め度及び表層の厚さは、次により、切取り試験を行う。
   1. (ｱ) 切取り試験は2,000m2以下は３個とし、2,000m2を超える場合は、さらに、2,000m2ごと及びその端数につき１個増した数量のコアを採取する。
      ただし、軽易な場合は、監督職員の承諾を受けて、試験を省略することができる。
   2. (ｲ) 基準密度は、原則として、最初の混合物から３個のマーシャル供試体を作り、その密度の平均値を基準密度とする。
      なお、監督職員の承諾を受けて、実施配合の値を基準密度とすることができる。
2. (2) 舗装の平たん性は、散水のうえ、目視により確認する。
3. (3) アスファルト混合物等の抽出試験
   1. (ｱ) 試験の適用は、特記による。
   2. (ｲ) 抽出試験の方法は、(公社)日本道路協会「舗装調査・試験法便覧」のアスファルト抽出試験方法による。
   3. (ｳ) 抽出試験の結果と現場配合との差は、表22.4.6 による。
      表22.4.6 抽出試験の結果と現場配合との差