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全体目次/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

2節 アスファルト防水/9章 防水工事/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

9.2.1 一般事項

この節は、コンクリート下地及びプレキャストコンクリート下地に、溶融アスファルトとアスファルトルーフィング類を交互に積層して施工する防水に適用する。

9.2.2 材料

  1. (1) アスファルトプライマーは、アスファルトを主成分とし、アスファルトの接着に適したアスファルトルーフィング類の製造所の指定する製品とする。
  2. (2) アスファルトはJIS K 2207 (石油アスファルト) に基づく防水工事用アスファルトとし、種類は3種とする。
  3. (3) アスファルトルーフィング類
    1. (ア) アスファルトルーフィングは、JIS A 6005 (アスファルトルーフィングフェルト) に基づくアスファルトルーフィング 1500とする。
    2. (イ) 砂付ストレッチルーフィングは、JIS A 6022 (ストレッチアスファルトルーフィングフェルト) による。
    3. (ウ) 網状アスファルトルーフィングは、JIS A 6012 (網状アスファルトルーフィング) に基づく合成繊維ルーフィングとする。
    4. (エ) 砂付あなあきルーフィングは、JIS A 6023 (あなあきアスファルトルーフィングフェルト)による。
    5. (オ) 改質アスファルトルーフィングシートはJIS A 6013 (改質アスファルトルーフィングシート) に基づき、種類及び厚さは特記による。
      特記がなければ、表9.2.3 から表9.2.8までによる。
    6. (カ) 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシ-トは、JIS A 6013に基づき、種類及び厚さは、特記による。
      特記がなければ、表9.2.5 から表9.2.8までによる。
      なお、粘着層は強風による飛散、浮き等が生じないための負圧抵抗性能を有し、アスファルトルーフィング類の製造所の指定する製品とする。
    7. (キ) ストレッチル-フィングは、 JIS A 6022に基づくストレッチル-フィング 1000 とする。
  4. (4) 防水層端部の止水に用いるアスファルト防水工事用シール材は、アスファルトルーフィング類との接着に適したものとし、アスファルトルーフィング類の製造所の指定する製品とする。
  5. (5) 絶縁用テープは、アスファルトルーフィング類の製造所の指定する製品とする。
  6. (6) 押え金物の材質及び形状寸法は、特記による。
    特記がなければ、アルミニウム製L-30×15×2.0(mm)程度とする。
  7. (7) 入隅に成形キャント材を使用する場合は、アスファルトルーフィング類の製造所の指定する製品とする。
  8. (8) 屋根保護防水断熱工法に用いる断熱材はJIS A 9521 (建築用断熱材) に基づく押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種bA(スキン層付き)とし、厚さは特記による。
  9. (9) 屋根露出防水断熱工法に用いる断熱材はJIS A 9521 に基づく発泡プラスチック断熱材とし、種類及び厚さは特記による。
    ただし、硬質ウレタンフォーム断熱材2種1号又は2号の場合は、透湿係数を除くJIS A 9521の規格に準ずるものとする。
  10. (10) 絶縁用シートに使用する材料は、特記による。
    特記がなければ、屋根保護防水密着工法又は屋根保護防水絶縁工法の場合はポリエチレンフィルム厚さ 0.15mm以上のもの又はポリプロピレン、ポリエチレン等を平織りしたフラットヤーンクロス (70g/m2程度)とし、屋根保護防水密着断熱工法又は屋根保護防水絶縁断熱工法の場合はポリプロピレン、ポリエチレン等を平織りしたフラットヤーンクロス (70g/m2程度) とする。
  11. (11) 保護層等の材料
    1. (ア) 成形伸縮目地材
      1. (a) 形状及び寸法
        キャップ幅は25mm、本体はキャップ幅の 80%以上、保護コンクリートの上面から下面にまで達するよう高さの調節が可能なもので、キャップ側面に付着層又はアンカーを備えた製品とする。
      2. (b) 成形伸縮目地材の品質は、表9.2.1による。
        表9.2.1 成形伸縮目地材の品質
        表9.2.1 成形伸縮目地材の品質
        (注) 1. 試験体 (高さ 80mm、長さ 50mm) 単位長さ当たりの最大荷重
        2. 試験体は、実際の使用条件に近い形状とする。
        3. 試験体は、キャップ部のみとする。
        4. 試験体は、原則として、キャップ部から作成する。

    2. (イ) 成形緩衝材は、防水層に不具合を及ぼさないものとする。
    3. (ウ) 保護コンクリート
      1. (a) コンクリートの調合は、6章14節[無筋コンクリート]による。
      2. (b) 保護コンクリート内に敷設する溶接金網は、JIS G 3551 (溶接金網及び鉄筋格子) に基づき、鉄線の径6mm、網目寸法100mmとする。
    4. (エ) 立上り部の保護の乾式保護材は、特記による。
    5. (オ) 立上り部の保護のれんがは、特記による。
    6. (カ) メタルラスは、JIS A 5505 (メタルラス) に基づく平ラス F500とする。
    7. (キ) モルタルの調合は、表9.2.2による。
      表9.2.2 モルタルの調合 (容積比)
      表9.2.2 モルタルの調合 (容積比)

9.2.3 防水層の種別及び工程

防水層の工法による種別及び工程は(ア)から(キ)までにより、種別は特記による。

  1. (ア) 屋根保護防水密着工法の種別及び工程は、表9.2.3による。
    表9.2.3 屋根保護防水密着工法の種別及び工程
    表9.2.3 屋根保護防水密着工法の種別及び工程
    (注) 1. 立上り部は、絶縁用シートを省略する。
    2. 立上り部における保護工法は、特記による。
    3. 保護コンクリートには、溶接金網を敷き込む。

  2. (イ) 屋根保護防水密着断熱工法の種別及び工程は、表9.2.4による。
    表9.2.4 屋根保護防水密着断熱工法の種別及び工程
    表9.2.4 屋根保護防水密着断熱工法の種別及び工程
    (注) 1. 立上り部への断熱材及び絶縁用シートの設置は、特記による。
    2. 立上り部における保護工法は、特記による。
    3. 保護コンクリートには、溶接金網を敷き込む。

  3. (ウ) 屋根保護防水絶縁工法の種別及び工程は、表9.2.5による。
    表9.2.5 屋根保護防水絶縁工法の種別及び工程
    表9.2.5 屋根保護防水絶縁工法の種別及び工程
    (注) 1. 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる場合の立上り部は、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート張付けの代わりに、改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 1.5mm 以上の張付け (使用量 1.0㎏/m2) とする。
    2. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合の立上り部は、砂付あなあきルーフィングを省略する。
    3. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合の立上り部は、工程3のアスファルトの使用量を ( ) 内とする。
    4. 立上り部は、絶縁用シートを省略する。
    5. 立上り部における保護工法は、特記による。
    6. 保護コンクリートには、溶接金網を敷き込む。

  4. (エ) 屋根保護防水絶縁断熱工法の種別及び工程は、表9.2.6による。
    表9.2.6 屋根保護防水絶縁断熱工法の種別及び工程
    表9.2.6 屋根保護防水絶縁断熱工法の種別及び工程
    (注) 1. 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる場合の立上り部は、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート張付けの代わりに、改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 1.5mm以上の張付け (使用量 1.0㎏/m2) とする。
    2. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合の立上り部は、砂付あなあきルーフィングを省略する。
    3. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合の立上り部は、工程3のアスファルトの使用量を ( ) 内とする。
    4. 立上り部への断熱材及び絶縁用シートの設置は、特記による。
    5. 立上り部における保護工法は、特記による。
    6. 保護コンクリートには、溶接金網を敷き込む。

  5. (オ) 屋根露出防水絶縁工法の種別及び工程は、表9.2.7による。
    なお、脱気装置の種類及び設置数量は、特記による。
    特記がなければ、アスファルトルーフィング類の製造所の指定とする。
    表9.2.7 屋根露出防水絶縁工法の種別及び工程
    表9.2.7 屋根露出防水絶縁工法の種別及び工程
    (注) 1. 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる場合の立上り部は、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート張付けの代わりに、改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 1.5mm以上の張付け (使用量 1.0㎏/m2) とする。
    2. 砂付あなあきルーフィングを用いる場合の立上り部は、砂付あなあきルーフィングを省略する。
    3.砂付あなあきルーフィングを用いる場合の立上り部は、工程3のアスファルトの使用量を ( )内とする。
    4. 仕上塗料の種類及び使用量は、特記による。
    特記がなければ、使用量は、アスファルトルーフィング類の製造所の仕様による。

  6. (カ) 屋根露出防水絶縁断熱工法の種別及び工程は、表9.2.8による。
    なお、脱気装置の種類及び設置数量は、特記による。
    特記がなければ、アスファルトルーフィング類の製造所の指定とする。
    表9.2.8 屋根露出防水絶縁断熱工法の種別及び工程
    表9.2.8 屋根露出防水絶縁断熱工法の種別及び工程
    (注) 1. 立上り部は、工程2及び工程3を省略する。
    2. 立上り部は、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート張付けの代わりに、改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 1.5mm 以上の張付け(使用量 1.0 ㎏/m2) とする。
    3. 仕上塗料の種類及び使用量は、特記による。
    特記がなければ、使用量は、アスファルトルーフィング類の製造所の仕様による。

  7. (キ) 屋内防水密着工法の種別及び工程は、表9.2.9 による。
    なお、保護層を設ける場合は、特記による。
    表9.2.9 屋内防水密着工法の種別及び工程
    表9.2.9 屋内防水密着工法の種別及び工程
    (注) E-1 の工程3を行う場合は、特記による。
    特記がなければ、貯水槽、浴槽等の常時水に接する部位に適用する。

9.2.4 施工

  1. (1) 防水層の下地は、次による。
    1. (ア) 平場のコンクリート下地は 15章4節[床コンクリート直均し仕上げ]による直均し仕上げとし、その工法は15.4.3[工法](1)の(ア)から(ウ)まで及び(2)による。
      なお、下地がモルタル塗りの場合、モルタル塗りは 15章3節[モルタル塗り]により、適用箇所は特記による。
    2. (イ) 立上りは、特記による。
      特記がなければ、コンクリート打放し仕上げとし、表6.2.4[打放し仕上げの種別]のB種とする。
      なお、下地がモルタル塗りの場合は、15章3節による。
    3. (ウ) 出隅及び入隅は、通りよく 45°の面取りとする。
      なお、9.2.3(オ)及び(カ)の場合は、入隅に成形キャント材を使用することができる。
  2. (2) アスファルトプライマー塗りは、次による。
    1. (ア) コンクリート下地等が十分乾燥した後に清掃を行い、塗布する。
    2. (イ) 塗付けは、アスファルトルーフィング等の張りじまい部まで、均一に行い、乾燥させる。
    3. (ウ) 塗付けは、塗布面以外の箇所を汚さないように行う。
  3. (3) アスファルトの溶融は、次による。
    1. (ア) アスファルトの溶融がまは、次による。
      1. (a) 設置位置は、可能な限り施工箇所の近くとする。
      2. (b) スラブの上に設置する場合は、熱による悪影響のない構造形態の溶融がまとする。
      3. (c) 完成した防水層の上に設置してはならない。
        やむを得ず設置する場合は、保護コンクリート等で措置を行った後に、(b)により設置する。
    2. (イ) アスファルトは、局部加熱が生じないよう小塊にして溶融する。
    3. (ウ) アスファルトの溶融温度の上限は、アスファルトの製造所の指定する温度とし、同一アスファルトの溶融を3時間以上続けない。
      また、溶融中に異常な色合い等を生じたものは、使用しない。
    4. (エ) 溶融したアスファルトは、施工に適した温度を保つように管理する。
    5. (オ) 屋根保護防水断熱工法の断熱材等の張付け用アスファルトの温度は、断熱材に支障のないものとする。
  4. (4) アスファルトルーフィング類の張付けは、次による。
    1. (ア) 出隅、入隅、下地目地部等は、一般部分の張付けに先立ち、次の増張りを行う。
      1. (a) コンクリートの打継ぎ箇所等で防水上不具合のある下地は、幅50mm 程度の絶縁用テープを張り付け、その上に幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りする。
        なお、絶縁工法の場合は、幅 50mm程度の絶縁用テープを張り付け、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを張り付けるか、又は、砂付あなあきルーフィングを敷きこむ。
      2. (b) プレキャストコンクリート部材の接合部の目地処理は、次による。
        1. ① 種別A-1、A-2、A-3、AI-1、AI-2、AI-3、DI-1、DI-2、E-1又は E-2 の場合は、増張り用シートを両側に 100mm程度ずつ張り掛けて絶縁増張りとする。
        2. ② 種別B-1、B-2、BI-1、BI-2、D-1又は D-2 の場合は、幅50mm程度の絶縁用テープを張り付ける。
      3. (c) 出隅、入隅、立上りの出隅及び立上りの入隅の増張りは、表9.2.10による。
        表9.2.10 出隅、入隅、立上りの出隅及び立上りの入隅の増張りの適用部位
        表9.2.10 出隅、入隅、立上りの出隅及び立上りの入隅の増張りの適用部位
        (注) 1. ○印は、幅 300mm以上のストレッチルーフィングを最下層に増張りする。
        なお、断熱露出防水の場合は、平場の断熱材を張り付けた後、増張りする。
        2. パラペット天端の出隅は除く。

    2. (イ) 平場の張付けは、次による。
      1. (a) アスファルトルーフィング類の張付けは、空隙、気泡、しわ等が生じないように均一に押し均して、下層に密着するように行う。
        なお、空隙、気泡、しわ等が生じた場合は、各層ごとに直ちに補修する。
      2. (b) 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートは、裏面のはく離紙等をはがしながら、しわが入らないように張り付け、ローラー等により転圧する。
        重なり部の処理は、アスファルトルーフィング類の製造所の仕様による。
      3. (c) アスファルトルーフィング類の継目は、幅方向、長手方向とも、100mm以上重ね合わせ、水下側のアスファルトルーフィング類を、下側に張り重ねる。
        ただし、絶縁工法の場合、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートの継目は、幅方向は 100 ㎜以上重ね合わせ、長手方向は突付けとし、その上に幅 200×1,100(mm)程度の改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) をアスファルトで張り付ける。
        また、砂付あなあきルーフィングの継目は、100×200(mm)程度のルーフィング片を3~4m程度の間隔に置敷きし、通気性を妨げないようにして突付けとする。
      4. (d) アスファルトルーフィング類の上下層の継目は、同一箇所としない。
      5. (e) 絶縁工法の立上り際の 500㎜程度は、アスファルトを用いて立上り部の一層目のアスファルトルーフィング類を密着張りとする。
        また、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートと密着張りしたアスファルトルーフィング類の重ね幅は、100 ㎜以上とし、アスファルトを用いて張り掛ける。
        なお、砂付あなあきルーフィングを用いる場合、密着張りしたアスファルトルーフィング類と平場の砂付あなあきルーフィングは、突付けとする。
      6. (f) 立上りと平場のアスファルトルーフィング類は別々に張り付け、立上り部のアスファルトルーフィング類は各層とも平場のアスファルトルーフィング類に 150mm以上張り掛ける。
        ただし、立上りの高さが400mm未満の場合は、平場のアスファルトルーフィング類をそのまま張り上げることができる。
      7. (g) 屋根露出防水絶縁断熱工法の断熱材は、隙間のないように、アスファルトルーフィング類の製造所の仕様により張り付ける。
        ルーフドレン回り及び立上り部周辺の断熱材の張りじまい位置は、特記による。
    3. (ウ) 立上り部の張付けは、次による。
      1. (a) 立上りの保護を乾式保護材とする場合は、所定の位置に各層の端部をそろえ、押え金物で固定した上に、シール材を充填する。
      2. (b) 立上りの保護を保護コンクリートとする場合は、防水層の立上り部の納まりは、最上層が所定の位置にくるようにし、下層になるほど 30mm程度ずつ短くして、端部が厚くならないようにし、次に幅 100mm程度の網状アスファルトルーフィングを増張りし、溶融アスファルトで目つぶし塗りをして押さえた後、端部にシール材を塗り付ける。
      3. (c) 屋根露出防水工法における防水層の立上り部の納まりは、所定の位置に各層の端部をそろえ、押え金物で固定した上に、シール材を充填する。
      4. (d) 押え金物は、ステンレスビスを用いて、間隔450mm以下に留め付ける。
      5. (e) 改質アスファルトルーフィングシート (非露出複層防水用R種) 張りは、アスファルトを用いて張り付ける。
    4. (エ) ルーフドレン、配管、和風便器等との取合いは、次による。
      1. (a) 各層を、よくなじませながら入念に施工する。
      2. (b) ルーフドレン回りは、最下層に 300mm以上のストレッチルーフィングを用いて、ドレンのつばに100mm程度、残りをスラブ面に張り掛けて増張りする。
        また、ドレン回りの増張りとパラペットの入隅の増張りとが重なる部分は、一方を省略することができる。
        1. ① 密着工法の施工は、次による。
          増張りしたストレッチルーフィングの上まで平場のアスファルトルーフィング類を張り重ねる。
        2. ② 絶縁工法の施工は、次による。
          1. ㋐ 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを用いる場合
            1. ⓐ 幅500mm程度の改質アスファルトルーフィングシートを、先に増張りしたストレッチルーフィングに張り掛ける。
              改質アスファルトルーフィングシートは、ドレンのつばに100mm程度張り掛け、残りの400㎜程度はドレンの周囲にアスファルトで張り掛ける。
            2. ⓑ ドレンの周囲に張り付けた改質アスファルトルーフィングシートにアスファルトを用いて、部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートを 100mm以上張り掛ける。
            3. ⓒ 2層目以降のアスファルトルーフィング類は、ドレンの周囲に張り付けた改質アスファルトルーフィングシートの上まで張り重ねる。
          2. ㋑ 砂付あなあきルーフィングを用いる場合
            砂付あなあきルーフィングは、増張りしたストレッチルーフィングに突付けとし、増張りしたストレッチルーフィングの上までアスファルトルーフィング類を張り重ねる。
      3. (c) 配管回りは、最下層に網状アスファルトルーフィングを増張りし、配管の根元の平場にストレッチルーフィングを 150mm程度張り掛けて増張りする。
        なお、絶縁工法における部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシートは、増張りしたストレッチルーフィングに 100mm程度、アスファルトを用いて張り付ける。
        砂付あなあきルーフィングを用いる場合は、増張りしたストレッチルーフィングに突付けとする。
        配管回りの立上りの納まりは、所定の位置に防水層の端部をそろえ、ステンレス製の既製バンドで防水層端部を締め付け、上部にシール材を塗り付ける。
      4. (d) 和風便器は、最下層及び最上層に網状アスファルトルーフィングを増張りする。

9.2.5 保護層等の施工

  1. (1) 入隅部分に成形緩衝材を設ける。
  2. (2) 断熱材は、隙間のないように、最終工程のアスファルトで入隅の成形緩衝材との取合い部分まで張り付ける。
  3. (3) 絶縁用シートの敷込みは、次による。
    1. (ア) 絶縁用シートは、立上り面等に 30mm程度張り上げる。
    2. (イ) ポリエチレンフィルムは、防水層の施工完了後、重ね幅 100mm程度で敷き並べ、接着テープ、シール材等で要所を固定する。
      必要に応じて、強風時のはく離、浮揚防止のため、重ね部分等の要所をモルタルで押さえる。
    3. (ウ) フラットヤーンクロスは、重ね幅100mm程度で敷き並べ、接着テープ等で要所を固定する。
  4. (4) 平場の保護コンクリートは、次による。
    1. (ア) 保護コンクリートに敷込む溶接金網の重ねは、1節半以上、かつ、150mm 以上とする。
    2. (イ) 保護コンクリートの厚さは、特記による。
      特記がなければ、こて仕上げの場合は80mm以上とし、床タイル張り等の仕上げの場合は60mm 以上とする。
      保護コンクリートは、所定の勾配に仕上げる。
    3. (ウ) こて仕上げの場合は 15章4節[床コンクリート直均し仕上げ] により、その工法は 15.4.3[工法](1)の(ア)から(ウ)まで及び(2)による。
    4. (エ) 屋内防水密着工法で、保護コンクリートに配管を行う場合等は、防水工事完了後、全面に厚さ15mm程度の保護モルタル塗りを行う。
  5. (5) 立上り部は次により、保護工法は特記による。
    1. (ア) 乾式保護材の場合は、製造所の仕様による。
    2. (イ) コンクリート押えの場合は、保護コンクリートを上部天端まで確実に充填するように打ち込む。
      また、平場の保護コンクリートの伸縮目地の位置には、7節により、ひび割れ誘発目地を設け、シーリングを行う。
    3. (ウ) 屋内等でモルタル押えの場合は、防水層に間隔 200mm程度にとんぼ付けし、メタルラスを取り付けた後、モルタルを厚さ 30mm程度に塗る。
    4. (エ) れんが押えの場合は、特記による。
  6. (6) 伸縮目地は、次による。
    1. (ア) 平場の保護コンクリートは、伸縮目地を設ける。
      伸縮目地の割付けは、周辺の立上り部の仕上り面から600mm程度とし、中間部は縦横間隔3,000mm程度とする。
      また、伸縮目地は、排水溝を含めて、立上りの仕上り面に達するものとする。
    2. (イ) 伸縮目地に用いる材料は成形伸縮目地材とし、目地材の製造所の仕様により所定の高さに設置し、保護コンクリートを打ち込む。
  7. (7) 屋上排水溝の設置は、特記による。

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