スキップしてメイン コンテンツに移動

3節 有機系接着剤によるタイル張り/11章 タイル工事/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

  1. 11.3.1 一般事項
  2. 11.3.2 材料
  3. 11.3.3 張付け用材料
  4. 11.3.4 シーリング材
  5. 11.3.5 施工
  6. 11.3.6 清掃

11.3.1 一般事項

この節は、工事現場において、有機系接着剤による後張りでタイル張り仕上げを行う工事に適用する。

11.3.2 材料

  1. (1) タイルの品質は、次による。
    1. (ア) JIS A 5209 (セラミックタイル) に基づき、タイルの形状、寸法、耐凍害性の有無、耐滑り性等は、特記による。
    2. (イ) 標準色・特注色の別は、特記による。
  2. (2) 役物は、次による。
    1. (ア) 役物の適用は、特記による。
      なお、内装タイルは、面取りしたものを使用する。
    2. (イ) まぐさ・窓台部分に使用する役物タイルの形状は、水切りのよいものとする。
    3. (ウ) 小口平以上の大きさのタイルをまぐさ又はひさし先端下部に用いる場合は、形をL形とする。

11.3.3 張付け用材料

  1. (1) 内装タイル接着剤張りに使用する有機系接着剤は JIS A 5548 (セラミックタイル張り内装用有機系接着剤) に基づき、種類は表11.3.1による施工箇所に応じたものとする。
    ただし、接着剤のホルムアルデヒド放散量は、特記による。
    特記がなければ、F☆☆☆☆とする。
    なお、吹抜け部分等へのタイル張りに使用する接着剤は、(2)による。
    表11.3.1 有機系接着剤の種類と施工箇所
    表11.3.1 有機系接着剤の種類と施工箇所
  2. (2) 屋外に使用する有機系接着剤は、JIS A 5557 (外装タイル張り用有機系接着剤) に基づく一液反応硬化形の変成シリコーン樹脂系とする。
    ただし、特記により目地詰めを行わない場合、耐候性及び耐汚染性は、次の(ア)及び(イ)に適合すること。
    1. (ア) 耐候性は、モルタル板の上に接着剤を1㎜厚で塗り付け、JIS A 1415 (高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法) に基づくオープンフレームカーボンアークランプを用いる試験装置で試験を行い、100時間経過時点、500時間経過時点及び1,000時間経過時点における初期と比較した色差がいずれも6未満で、かつ、表面のはく離及びふくれがないこと。
    2. (イ) 耐汚染性は、3か月の暴露試験において、タイルに接着剤による汚染がないこと。

11.3.4 シーリング材

  1. (1) シーリング材はJIS A 5758 (建築用シーリング材)により、シーリング材の種類は特記による。
    特記がなければ、打継ぎ目地及びひび割れ誘発目地のシーリング材はポリウレタン系シーリング材とし、伸縮調整目地その他の目地は変成シリコーン系シーリング材とする。
  2. (2) 外装タイル接着剤張りに用いるシーリング材は、施工に先立ち、有機系接着剤による汚染が出ないことを確認する。

11.3.5 施工

  1. (1) 下地及びタイルごしらえは、次による。
    1. (ア) 下地調整塗材塗りを行うコンクリート素地面の下地処理の方法は、特記による。
    2. (イ) 目荒し工法又はMCR工法による下地処理を行う場合は、次による。
      1. (a) 目荒し工法とする場合は、15.3.4[下地処理](4)による。
      2. (b) MCR工法とする場合は、6章8節[型枠]による。
    3. (ウ) 外装タイル接着剤張り下地等の下地調整塗材塗りは、15.3.5[工法](4)(イ)(b)による。
    4. (エ) 内装タイル接着剤張りの場合は、15.3.5(4)(イ)のほか、19章7節[せっこうボード、その他ボード及び合板張り]による。
    5. (オ) タイルの張付けに当たり、下地面の清掃を行い、下地面を十分に乾燥させる。
      なお、水湿し及び吸水調整材の塗布は行わない。
    6. (カ) タイルごしらえは、必要に応じて、行う。
  2. (2) 壁タイル張りは、次による。
    1. (ア) タイル張りの工法と張付け用材料の使用量は表11.3.2により、タイルの種類等は特記による。
      表11.3.2 有機系接着剤によるタイル張り工法と張付け用材料の使用量
      表11.3.2 有機系接着剤によるタイル張り工法と張付け用材料の使用量
    2. (イ) 内装タイル接着剤張りは、次による。
      1. (a) 接着剤の1回の塗布面積の限度は、接着剤の製造所の仕様による。
      2. (b) 接着剤は、金ごて等を用いて平たんに塗布した後、タイルの製造所又は接着剤の製造所の指定するくし目ごてを用いて壁面に60°の角度を保って、くし目を立てる。
        また、裏あしがあるタイルは、裏あし方向とくし目の方向が平行にならないようにする。
      3. (c) 目地割りに基づいて水糸を引き通し、基準となる定規張りを行い、縦横目地引き通しに注意しながら張り上げる。
      4. (d) 手でもみ込んだ後、たたき板、タイル張りに用いるハンマーでたたき押えるか、又は、振動工具を用いて加振して張り付ける。
      5. (e) 目地は、接着剤の硬化状態を確認した後、11.2.6(3)(イ)(d)に準じて、目地詰めを行う。
      6. (f) 目地詰め後、タイル面の清掃を行う。
    3. (ウ) 外装タイル接着剤張りは、次による。
      1. (a) 接着剤の1回の塗布面積の限度は、接着剤の製造所の仕様による。
      2. (b) 目地詰めを行わない場合は、特記による。
      3. (c) 接着剤は金ごて等を用いて平たんに塗布した後、タイルの製造所又は接着剤の製造所の指定するくし目ごてを用いて壁面に 60°の角度を保って、くし目を立てる。
        また、裏あしがあるタイルは、裏あし方向とくし目の方向が平行にならないようにする。
        なお、目地詰めを行わない場合は、一度くし目を立てた後に金ごてを用いて平たんに均す。
        ただし、目地幅が3㎜以下の空目地の場合は、くし目状態のままとする。
      4. (d) 目地割りに基づいて水糸を引き通し、基準となる定規張りを行い、縦横目地引き通しに注意しながら張り上げる。
      5. (e) 手でもみ込んだ後、たたき板、タイル張りに用いるハンマーでたたき押えるか、又は、振動工具を用いて加振して張り付ける。
      6. (f) まぐさ、窓台等のタイル張りの下地は、水切が適切に行えるよう、形状、水勾配等を正しく施工する。
      7. (g) 目地を詰める場合は、接着剤の硬化状態を確認した後、11.2.6(3)(イ)(d)に準じて目地詰めを行う。
      8. (h) 目地詰め後、タイル面の清掃を行う。
        なお、目地詰めを行わない場合は、接着剤の硬化状態を見計らい、タイル面の清掃を行う。

11.3.6 清掃

  1. (1) 清掃は水洗いとし、タイル表面を傷めないように汚れを取り除く。
  2. (2) 目地モルタルによる汚れが著しい場合は、監督職員の承諾を受けて、清掃に酸類を用いることができる。
    また、酸洗い前後に水洗いを行い、酸類が残らないようにする。
    なお、金物類には、酸類が掛からないように養生を行う。
  3. (3) 接着剤がタイル表面に付着して硬化した場合には、汚れ除去用の発泡樹脂製品、砂消しゴム等で削り取る。
    ただし、表面が平滑な内装タイル等は、接着剤が硬化する前に溶剤等でふき取る。

コメント

このページは、国土交通省のウェブサイトで公開されている公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版をウェブページ化したものです。