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全体目次/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

8節 型枠/6章 コンクリート工事/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

6.8.1 型枠一般

  1. (1) 型枠は、せき板と支保工から構成する。
  2. (2) 型枠は、作業荷重、コンクリートの自重及び側圧、打込み時の振動及び衝撃並びに水平荷重等の外力に耐え、6.2.5に定める構造体コンクリートの仕上りを得られるものとする。
  3. (3) 型枠は、有害な水漏れがなく、取り外しに当たり、コンクリートに損傷を与えないものとする。
  4. (4) 外部に面するコンクリートの打増し厚さは、特記による。
  5. (5) ひび割れ誘発目地の位置、形状及び寸法は、特記による。

6.8.2 材料

  1. (1) せき板の材料は、特記による。
    特記がなければ、次による。
    1. (ア) コンクリート打放し仕上げの場合は、表6.2.4の表面の仕上り程度に見合ったものとする。
    2. (イ) コンクリート打放し仕上げ以外の場合は、(2)(イ)又はその他の材料でコンクリートの所要の品質を確保できるものとする。
      なお、(2)(イ)以外は監督職員の承諾を受ける。
  2. (2) せき板の材料として合板を用いる場合は、(ア)又は(イ)とし、厚さは、特記による。
    特記がなければ、厚さは12mm とする。
    ただし、MCR工法の場合のせき板の材料は(イ)とする。
    なお、合板に用いる樹種は、広葉樹、針葉樹又はこれらを複合したものとする。
    1. (ア) 「合板の日本農林規格」第5条「コンクリート型枠用合板の規格」による表面加工品
    2. (イ) 「合板の日本農林規格」第5条「コンクリート型枠用合板の規格」によるB-C
  3. (3) スラブのせき板の材料として、床型枠用鋼製デッキプレートを用いる場合は、上面が平たんなものとし、製造所の仕様等の資料を監督職員に提出する。
  4. (4) せき板に断熱材を兼用した型枠材を使用する場合は、特記による。
  5. (5) MCR工法用シートの適用は、特記による。
    なお、MCR工法用シートは、難燃処理を行った合成樹脂製の気泡性緩衝シートとし、モルタルとの接着強度が確保できるよう、適切な形状とする。
  6. (6) 型枠締付けの方法は、ボルト式とする。
    ただし、排水桝の類は、番線式とすることができる。
  7. (7) はく離剤を使用する場合は、コンクリート面に悪影響を及ぼさないものとする。
  8. (8) 型枠は、支障のない限り、再使用することができる。
  9. (9) 型枠に設けるスリーブ(配管用等)は、次による。
    1. (ア) 貫通孔の径は、スリーブを取り外さない場合は、スリーブの内径寸法とする。
    2. (イ) スリーブに用いる材料は表6.8.1により、材種、規格等は、特記による。
      なお、柱及び梁以外の箇所で、開口補強が不要であり、かつ、スリーブ径が 200mm以下の部分は、紙チューブとすることができる。
      表6.8.1 スリーブの材料
      表6.8.1 スリーブの材料

6.8.3 型枠の加工及び組立

  1. (1) 型枠は、施工図等に従って加工し、組み立てる。
  2. (2) 配筋、型枠の組立又はこれらに伴う資材の運搬、集積等は、これらの荷重を受けるコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始する。
  3. (3) 各種配管、ボックス、埋込み金物等は、構造耐力上及び耐久性上支障のない位置に配置し、コンクリート打込み時に移動しないよう、所定の位置に堅固に取り付ける。
  4. (4) 支柱は、垂直に立て、上下階の支柱は、可能な限り平面上の同一位置とする。
    また、地盤に支柱を立てる場合は、地盤を十分締め固めるとともに、剛性のある板を敷くなど支柱が沈下しないよう必要な措置を講ずる。
  5. (5) 型枠は、足場、遣方等の仮設物と連結させない。
  6. (6) MCR工法の場合は、気泡性緩衝シートを、タッカーによるステープルで、せき板の表面にしわにならないよう留め付ける。
    また、端部は、気泡性緩衝シートがコンクリートに食い込まないよう留め付ける。
  7. (7) 床型枠用鋼製デッキプレートを使用する場合は、取り合う型枠材等の強度を十分確保するほか、製造所の仕様による。
  8. (8) 断熱材を兼用した型枠材を使用する場合は、製造所の仕様による。
  9. (9) 型枠締付け金物にコーンを使用する箇所は、次による。
    1. (ア) 直接土に接する面(基礎及び地下室のない場合の基礎梁を除く。)
    2. (イ) 防水下地
    3. (ウ) 打放し仕上げ面(表6.2.4のA種及びB種の場合)
    4. (エ) 直に塗装、壁紙張り等の厚さの薄い仕上げをする面
    5. (オ) 断熱材を打ち込んだ面(断熱材を損傷するおそれのない場合を除く。)
    6. (カ) 保守点検等のために出入りするダクトスペース等の床上高さ2m以下の見え掛り部
  10. (10) コンクリートの打込みに先立ち、型枠の組立状態を確認し、監督職員に報告する。

6.8.4 型枠の存置期間及び取外し

  1. (1) 型枠の取外しは、型枠の最小存置期間の経過後に行う。
  2. (2) 型枠の存置期間は、次による。
    1. (ア) 最小存置期間は、表6.8.2及び表6.8.3により、コンクリートの材齢又はコンクリートの圧縮強度により定める。
      寒冷のため強度の発現が遅れるおそれのある場合は、コンクリートの圧縮強度により存置期間を定める。
      ただし、セメントの種類が普通エコセメントの場合の最小存置期間は、特記による。
    2. (イ) コンクリートの圧縮強度を圧縮強度試験により確認する場合は、6.9.3 によるコンクリートの試験結果及び関係法令等に基づく安全を確認するための資料により、監督職員の承諾を受ける。
    3. (ウ) コンクリートの圧縮強度を「現場打コンクリートの型わく及び支柱の取りはずしに関する基準」(昭和46 年1月 29日 建設省告示第110 号)第1第一号ロに基づき定める場合は、コンクリートの圧縮強度の計算結果により、監督職員の承諾を受ける。
      表6.8.2 せき板の最小存置期間
      表6.8.2 せき板の最小存置期間
      (注) 圧縮強度を圧縮強度試験により確認する場合は、6.9.3(1)(イ)による工事現場における水中養生供試体又は封かん養生供試体の圧縮強度とする。

      表6.8.3 支柱の最小存置期間
      表6.8.3 支柱の最小存置期間
      (注) 圧縮強度を圧縮強度試験により確認する場合は、6.9.3(1)(イ)による工事現場における水中養生供試体又は封かん養生供試体の圧縮強度とする。

  3. (3) 片持梁、ひさし、長大スパンの梁、大型スラブ等の型枠を支持する支柱、施工荷重が大きく、コンクリートに支障が生じるおそれがある場合の支柱等は、必要に応じて、存置期間を延長する。
  4. (4) スラブ下及び梁下のせき板は、支柱を取外し後に取り外す。
    ただし、これにより難い場合は、監督職員と協議する。
    なお、支柱の盛替えは行わない。
  5. (5) スリーブの材料に紙チューブを使用した場合は、型枠取外し後に取り除く。
  6. (6) MCR工法の場合は、次による。
    1. (ア) 気泡性緩衝シートをコンクリート面に残して、型枠を取り外す。
    2. (イ) モルタル塗りの直前に、気泡性緩衝シートをコンクリート面に残さずにはがす。
    3. (ウ) コンクリート面のステープルは取り除く。

6.8.5 型枠締付け金物等の措置

  1. (1) 型枠取り外し後、仕上げがない箇所は、型枠締付け金物の頭を除去し、その跡に表18.3.1[鉄鋼面の錆止め塗料の種別]のA種の錆止め塗料を塗り付ける。
  2. (2) 型枠締付け金物にコーンを使用した場合は、コーンを取り外して保水剤又は防水剤入りモルタルを充填するなどの措置を講ずる。
    また、断熱材の部分では、19.9.3[断熱材打込み工法](2)(オ)による。
    モルタルの充填は、一般には面内とし、塗装等の厚さの薄い仕上げの下地では、コンクリート面と同一とする。

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