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15.6.1 一般事項
この節は、建築用仕上塗材を用いる内外装の仕上工事に適用する。
15.6.2 材料
- (1) 仕上塗材
- (ア) 仕上塗材は、JIS A 6909 (建築用仕上塗材) による。
ただし、内装仕上げに用いる塗材のホルムアルデヒド放散量は、特記による。
特記がなければ、F☆☆☆☆とする。 - (イ) 仕上塗材は表15.6.1により、種類(呼び名)、仕上げの形状及び工法は特記による。
- (ウ) 仕上塗材の製造所において指定された色、つや等に調合し、有効期間を経過したものは使用しない。
なお、下塗材、主材及び上塗材は、同一製造所の製品とする。 - (エ) 内装薄塗材及び内装厚塗材で吸放湿性を有する塗材を用いる場合はJIS A 6909に基づく[調湿形]の表示のあるものとし、適用は特記による。
- (オ) 内装薄塗材Wをコンクリート、セメントモルタル等のアルカリ性の下地に適用する場合は、JIS A 6909に基づく[耐アルカリ性試験合格]の表示のあるものを用いる。
- (カ) 内装薄塗材Wは、JIS A 6909に基づく[かび抵抗性]の表示のあるものを用いる。
- (キ) 複層仕上塗材の耐候性は、特記による。
- (ク) 複層仕上塗材の上塗材は表15.6.2により、樹脂、外観及び溶媒の種類は特記による。
- (ケ) 増塗材は、主材基層塗りに用いる材料とする。
- (コ) 設計図書に定められた防火材料は、建築基準法に基づく防火材料の指定又は認定を受けたものとする。
表15.6.1 仕上塗材の種類(呼び名)、仕上げの形状及び工法 (その1)表15.6.1 仕上塗材の種類(呼び名)、仕上げの形状及び工法 (その2)表15.6.1 仕上塗材の種類(呼び名)、仕上げの形状及び工法 (その3)(注) 1. 下塗材を省略又は専用の下地調整材を用いる場合は、仕上塗材の製造所の指定による。2. 上塗材の適用は、特記による。3. 上塗材がセメントスタッコ以外の塗材の場合は、特記による。4. 工法欄の吹付け、ローラー塗り及びこて塗りは、主材の塗付けに適用する。5. 所要量は、被仕上塗材仕上げ面単位面積当たりの仕上塗材 (希釈する前) の使用質量とし、製造所の指定による。
なお、表の所要量は、2回塗りの場合、2回分の使用質量を示す。6. 塗り回数は、仕上塗材の製造所の指定による。7. 複層塗材の上塗りがメタリックの場合の所要量及び塗り回数は、15.6.6(13)(エ)(a)による。表15.6.2 複層仕上塗材の上塗材の種類凡例 ○印:選択可能、─印:選択不可(注) つやなし及びメタリックは、可とう形複層塗材及び防水形複層塗材には適用しない。
- (ア) 仕上塗材は、JIS A 6909 (建築用仕上塗材) による。
- (2) 下地調整塗材は、JIS A 6916 (建築用下地調整塗材) による。
- (3) 水は、15.3.2(2) による。
- (4) (1)から(3)まで以外の材料は、仕上塗材の製造所の指定する製品とする。
15.6.3 施工一般
- (1) 15.1.3の見本塗板は、所要量又は塗厚が工程ごとに確認できるものとする。
- (2) 仕上げ工程の放置時間等は、18.1.4[施工一般](8)による。
- (3) 施工場所の気温が低い場合は、18.1.6[施工管理](1)による。
- (4) 外部の仕上げ塗りは、降雨、多湿等により結露のおそれのある場合又は強風時には、原則として、行わない。
- (5) 仕上げに溶剤を用いる場合は、換気をよくして、溶剤による中毒を起こさないようにする。
- (6) 工程ごとの所要量等の確認を、15.6.7により行う。
- (7) シーリング面に仕上塗材仕上げを行う場合、シーリング材が硬化した後に行うものとし、塗重ね適合性を確認し、必要な処理を行う。
15.6.4 下地処理
- (1) モルタル、プラスター下地等で、ひび割れがある場合は、必要に応じて、U字形にはつり、仕上げに支障のないモルタル等で充填し、14日程度放置する。
ただし、気象条件等によりモルタル等の接着が確保できる場合には、放置期間を短縮することができる。 - (2) 外壁のコンクリート下地等のひび割れの処理方法は、監督職員と協議する。
- (3) モルタル下地の仕上げは、表15.6.3により、仕上塗材の種類に応じた○印の仕上げとする。
表15.6.3 仕上塗材の種類に応じたモルタル下地の仕上げ
- (4) ALCパネル下地の場合は、ALCパネル面の欠け、穴等を、ALCパネルの製造所の指定する補修モルタルで平滑にする。
- (5) 押出成形セメント板下地の場合は、押出成形セメント板面の欠け、表面の傷等を、押出成形セメント板の製造所の指定する補修材料で平滑にする。
15.6.5 下地調整
- (1) コンクリート面の下地調整は、次による。
- (ア) 目違いは、サンダー掛け等により取り除く。
- (イ) 下地面の清掃を行う。
- (ウ) 下地調整塗材C-2を、1~2mm 程度全面に塗り付けて、平滑にする。
ただし、スラブ下等の見上げ面、厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は、省略する。 - (エ) 下地の不陸調整厚さが1mm以下の場合は、(ウ)の下地調整塗材C-2に代えて、下地調整塗材C-1を平滑に塗り付けることができる。
- (オ) 下地の不陸調整厚さが3mmを超えて10mm以下の場合は、(ウ)の下地調整塗材 C-2に代えて、下地調整塗材CM-2を平滑に塗り付ける。
- (2) モルタル、せっこうプラスター及びプレキャストコンクリート面の下地調整は、次による。
- (ア) 下地面の清掃を行う。
- (イ) 合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。
ただし、仕上塗材の下塗材で代用する場合は、省略することができる。
- (3) せっこうボード面及びその他ボード面の下地調整は、次による。
- (ア) 表18.2.7[せっこうボード面及びその他ボード面の素地ごしらえ]のB種とする。
- (イ) 合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。
- (4) ALCパネル面の下地調整は、次による。
- (ア) 下地面の清掃を行う。
- (イ) 合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。
ただし、下地調整塗材Eで代用する場合は、省略することができる。 - (ウ) 屋外は、仕上塗材の製造所の仕様により下地調整塗材 C-1 又は下地調整塗材Eを全面に塗り付けて、平滑にする。
ただし、外装薄塗材S仕上げの場合は、下地調整塗材 C-2を全面に塗り付けて、平滑にする。
- (5) 押出成形セメント板面の下地調整は、次による。
- (ア) 下地面の清掃を行う。
- (イ) 日本建築学会材料規格 JASS 18 M-201[反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応硬化形合成樹脂シーラー]に基づく塗料を全面に塗り付ける。
なお、仕上塗材の製造所の仕様により、下塗材をJASS 18 M-201に基づく塗料で代用することができる。
15.6.6 工法
- (1) 外装薄塗材Si及び可とう形外装薄塗材Siは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する水の量で均一になるように行う。
ただし、溶剤系の下塗材の場合は、仕上塗材の製造所の指定する量の専用薄め液で均一になるように行う。 - (イ) 下塗りは、だれ、塗残しのないように均一に塗り付ける。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、仕上塗材の製造所の指定する吹付け条件により吹き付ける。
- (b) ローラー塗りの場合、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、所定のローラーを用いて塗り付ける。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する水の量で均一になるように行う。
- (2) 外装薄塗材E及び可とう形外装薄塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(1)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合、(1)(ウ)(a)による。
- (b) ローラー塗りの場合、(1)(ウ)(b)による。
- (c) こて塗りの場合、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、所定のこてを用いて塗り付ける。
- (3) 防水形外装薄塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(1)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 増塗りは、出隅、入隅、目地部、開口部回り等に、はけ又はローラーにより、端部に段差のないように塗り付ける。
- (エ) 主材塗りは、次による。
- (a) 基層塗りは、だれ、ピンホール及び塗残しのないよう下地を覆うように均一に塗り付ける。
- (b) 模様塗りは、次による。
- ① 吹付けの場合、(1)(ウ)(a)による。
- ② ローラー塗りの場合、(1)(ウ)(b)による。
- (4) 外装薄塗材Sは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する量の専用薄め液で均一になるように行う。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(1)(ウ)(a)による。
- (5) 内装薄塗材C及び内装薄塗材Lは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する水の量で均一になるように行う。
なお、練混ぜ量は、仕上塗材の製造所の指定する可使時間以内に使い終わる量とする。 - (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合、(1)(ウ)(a)による。
- (b) ローラー塗りの場合、(1)(ウ)(b)による。
- (c) こて塗りの場合、(2)(ウ)(c)による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する水の量で均一になるように行う。
- (6) 内装薄塗材Si及び内装薄塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する水の量で均一になるように行う。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(5)(ウ)による。
- (7) 内装薄塗材Wは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(6)(ア)による。
ただし、合成樹脂エマルションを使用する場合は、仕上塗材の製造所の仕様による。 - (イ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合、(5)(ウ)(a)による。
- (b) こて塗りの場合、(2)(ウ)(c)による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(6)(ア)による。
- (8) 外装厚塗材Cは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(5)(ア)による。
ただし、溶剤系の下塗材又は上塗材の場合は、仕上塗材の製造所の指定する量の専用薄め液で均一になるように行う。 - (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合は、次による。
- ① 基層塗りと模様塗りの2回とする。
- ② 基層塗りは、だれ、ピンホール及び塗残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。
- ③ 模様塗りは、(1)(ウ)(a)による。
- ④ 凸部処理は、模様塗りの後に、見本塗板と同様の模様になるように、こて又はローラーにより押さえる。
- (b) こて塗りの場合、(2)(ウ)(c)による。
- (a) 吹付けの場合は、次による。
- (エ) 上塗材を用いる場合は、上塗りは、2回塗りとし、色むら、だれ、光沢むら等が生じないように均一に、はけ、ローラー又はスプレーガンにより塗り付ける。
- (ア) 材料の練混ぜは、(5)(ア)による。
- (9) 外装厚塗材Si及び外装厚塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(6)(ア)による。
ただし、溶剤系の下塗材又は上塗材の場合は、仕上塗材の製造所の指定する量の専用薄め液で均一になるように行う。 - (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合、(8)(ウ)(a)による。
- (b) ローラー塗りの場合、(1)(ウ)(b)による。
- (c) こて塗りの場合、(2)(ウ)(c)による。
- (エ) 上塗りは、(8)(エ)による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(6)(ア)による。
- (10) 内装厚塗材Cは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(5)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(8)(ウ)による。
- (11) 内装厚塗材L及び内装厚塗材Gは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(5)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(2)(ウ)(c)による。
- (12) 内装厚塗材Si及び内装厚塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(6)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(9)(ウ)による。
- (13) 複層塗材CE及び複層塗材REは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜ
- (a) 材料の練混ぜは、(8)(ア)による。
- (b) 2液形上塗材は、薄める前に基剤と硬化剤を仕上塗材の製造所の指定の割合で混ぜ合わせる。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合、(8)(ウ)(a)による。
- (b) ローラー塗りの場合、(1)(ウ)(b)による。
- (エ) 上塗りは、次による。
- (a) 上塗材がメタリックの場合の所要量は、0.4㎏/m2以上とする。
また、上塗りの工程を3回以上とし、第1回目はクリヤー又はメタリックと同系色のエナメルを塗り付け、最上層はクリヤーとする。 - (b) (a)以外の場合、上塗りは、(8)(エ)による。
- (a) 上塗材がメタリックの場合の所要量は、0.4㎏/m2以上とする。
- (ア) 材料の練混ぜ
- (14) 複層塗材Si及び複層塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(9)(ア)及び(13)(ア)(b)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(13)(ウ)による。
- (エ) 上塗りは、(13)(エ)による。
- (15) 可とう形複層塗材CEは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(13)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、次による。
- (a) 吹付けの場合は、次による。
- ① 基層塗りは、(3)(エ)(a)による。
- ② 模様塗りは、(1)(ウ)(a)による。
- ③ 凸部処理は、(8)(ウ)(a)④による。
- (b) ローラー塗りの場合、(1)(ウ)(b)による。
- (a) 吹付けの場合は、次による。
- (エ) 上塗りは、(13)(エ)(b)による。
- (16) 防水形複層塗材CE及び防水形複層塗材REは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(13)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 増塗りは、(3)(ウ)による。
- (エ) 主材塗りは、次による。
- (a) 基層塗りは、2回塗りとし、だれ、ピンホール及び塗残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。
- (b) 模様塗りは、(3)(エ)(b)による。
- (オ) 上塗りは、(13)(エ)(b)による。
- (17) 防水形複層塗材Eは、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、(14)(ア)による。
- (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 増塗りは、(3)(ウ)による。
- (エ) 主材塗りは、(16)(エ)による。
- (オ) 上塗りは、(13)(エ)(b)による。
- (18) 軽量骨材仕上塗材は、次による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する方法で均一になるように行う。
なお、練混ぜ量は、仕上塗材の製造所の指定する可使時間以内に使い終わる量とする。 - (イ) 下塗りは、(1)(イ)による。
- (ウ) 主材塗りは、(7)(イ)による。
- (ア) 材料の練混ぜは、仕上塗材の製造所の指定する方法で均一になるように行う。
15.6.7 所要量等の確認
所要量等の確認方法は、防水形の仕上塗材又は軽量骨材仕上塗材の場合、単位面積当たりの使用量によることを標準とする。
また、仕上りの程度の確認は、表15.6.4による。
表15.6.4 仕上りの程度の確認
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