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全体目次/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

4節 ALCパネル/8章 コンクリートブロック、ALCパネル及び押出成形セメント板工事/令和4年版 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)

8.4.1 一般事項

この節は、ALCパネル (以下この節において「パネル」という。) を屋根 (非歩行用) 、床、外壁及び間仕切壁に用いる工事に適用する。

8.4.2 材料

  1. (1) パネルはJIS A 5416 (軽量気泡コンクリートパネル (ALCパネル) ) に基づく厚形パネルとし、区分、単位荷重、厚さ、幅、長さ、耐火性能等は特記による。
  2. (2) 金物
    1. (ア) 目地用鉄筋は5.2.1[鉄筋]により、種類及び径はSR235-9φ又はSD295-D10とする。
    2. (イ) 下地鋼材及び開口補強鋼材は、JIS G 3101 (一般構造用圧延鋼材) のSS400とする。
    3. (ウ) (イ) 以外の間仕切チャンネル、間仕切 L形金物等の下地鋼材は、パネル製造所の仕様による。
    4. (エ) (ア)から(ウ)まで以外の金物は、パネルの製造所の指定する製品とする。
  3. (3) 金物の表面処理
    1. (ア) 取付け金物でパネルに接する鋼製のものは、表14.2.2[亜鉛めっきの種別]のF種の亜鉛めっきを行う。
    2. (イ) 下地鋼材及び開口補強鋼材は、表18.3.1[鉄鋼面の錆止め塗料の種別]のA種又はB種の錆止め塗料の2回塗りを行う。
  4. (4) モルタル等
    1. (ア) モルタル用材料は 15.3.2[材料]により、調合は表8.4.1とする。
      表8.4.1 モルタルの調合 (容積比)
      表8.4.1 モルタルの調合 (容積比)
    2. (イ) モルタルに使用する混和材、パネルの補修に用いる材料及びパネル相互の接合面の接着材は、パネルの製造所の指定する製品とする。
  5. (5) パネル相互の接合部に用いるシーリング材は、9章7節[シーリング]による。
  6. (6) パネル相互の接合部に挿入する耐火目地材は、特記による。

8.4.3 外壁パネル構法

  1. (1) 外壁パネル構法は表8.4.2により、種別は特記による。
    表8.4.2 外壁パネル構法の種別
    表8.4.2 外壁パネル構法の種別
  2. (2) 外壁パネル構法における耐風圧性能及び耐震性能は、特記による。
  3. (3) 耐火構造は、建築基準法に基づき国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとする。
  4. (4) 柱、梁等の接合突出部におけるパネル下地金物は、構造体に有効に取り付ける。
  5. (5) パネル幅の最小限度は、300mmとする。
    ただし、300mm未満とする場合は、特記による。
  6. (6) 取付け完了後、欠け、傷等がある場合は、監督職員と協議のうえ、補修用モルタルを用いて補修する。
  7. (7) パネルの短辺小口相互の接合部の目地は伸縮目地とし、目地幅は特記による。
    特記がなければ、10~20mmとする。
  8. (8) 出隅及び入隅のパネル接合部並びにパネルと他部材との取合い部の目地は伸縮目地とし、目地幅は特記による。
    特記がなければ、10~20mmとする。
  9. (9) (7)及び(8)の伸縮目地に耐火目地材を充填する場合は、特記による。
  10. (10) 構法がB種の場合、受金物は、パネル積上げ段数5段以下ごとに設ける。
  11. (11) 開口補強鋼材の取付けは、各構法に応じた取付け方法とする。
  12. (12) パネルとスラブが取り合う部分の隙間は、モルタル又は耐火材料を充填する。
    ただし、構法がA種の場合は、モルタルとパネルの間にはクラフトテープ等の絶縁材を入れる。
  13. (13) 外部に面する部分のパネルの目地は、シーリング材を充填する。

8.4.4 間仕切壁パネル構法

  1. (1) 間仕切壁パネル構法は表8.4.3により、種別は特記による。
    表8.4.3 間仕切壁パネル構法の種別
    表8.4.3 間仕切壁パネル構法の種別
  2. (2) 間仕切壁パネル構法における耐震性能は、特記による。
  3. (3) 工事現場でパネルの幅又は長さを切り詰める場合は、専用工具を用いる。
  4. (4) 構法がE種の場合、間仕切チャンネル及び間仕切 L型金物の取付けは、あと施工アンカー、溶接等とする。
    なお、あと施工アンカーの工法等は、14.1.3[工法](1)による。
  5. (5) 防火区画の場合は、間仕切チャンネル等の下地鋼材に必要な耐火性能を有する被覆を行う。
  6. (6) 構法がC種の場合、スラブ周辺部とパネルの間に充填するモルタルとパネルの間には、クラフトテープ等の絶縁材を入れる。
  7. (7) (1)から(6)まで以外の工法は、8.4.3の(3)から(12)までによる。

8.4.5 屋根及び床パネル構法

  1. (1) 屋根及び床パネル構法は、表8.4.4による。
    表8.4.4 屋根及び床パネル構法の種別
    表8.4.4 屋根及び床パネル構法の種別
  2. (2) 目地用鉄筋が使用できない場合は、ボルト留めとする。
    ボルト (ナット) が床上 (屋根上)に突起する場合は、パネルを欠き込んでボルト (ナット) を沈め、補修用モルタルを充填する。
  3. (3) 目地用モルタルの充填に先立ち、パネルの溝及び目地部分を清掃し、粉末、ごみ等を適切に除去する。
  4. (4) 目地用モルタルを、パネルの溝又は目地部分に充填する場合は、パネル上面から5mm 程度盛り上げておき、水引き具合を見計らい、定規等でパネル上面にそろえて削り取り、平滑に仕上げる。
  5. (5) 目地用モルタルの充填中に降雨、降雪等があった場合は作業を中止し、モルタル施工済み部分に適切な養生を行う。
  6. (6) 目地用モルタルがパネル表面に付着した場合は、直ちに取り除く。
  7. (7) (1)から(6)まで以外の工法は、8.4.3の(2)から(6)までによる。

8.4.6 溝掘り、孔あけ及び開口部の措置

  1. (1) 外壁及び間仕切壁パネルには、原則として、溝掘り及び孔あけを行わない。
  2. (2) 屋根及び床パネルには、溝掘りを行わない。
    また、原則として、孔あけを行わない。
  3. (3) 溝掘り、孔あけ及び開口を設けた部分は、補修用モルタル又は耐火目地材を充填して補修する。
    また、加工により露出した鉄筋には、表18.3.1[鉄鋼面の錆止め塗料の種別]のA種の錆止め塗料を塗り付ける。

8.4.7 養生その他

  1. (1) 目地用モルタルが硬化するまで、振動、衝撃等を与えない。
  2. (2) 屋根及び床には、集中荷重をかけない。
  3. (3) モルタルが急激な乾燥又は凍結のおそれのある場合は、15.1.4[施工一般](2)又は(3)により、適切に養生を行う。

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このページは、国土交通省のウェブサイトで公開されている公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版をウェブページ化したものです。